第3章:プロンプトの設計方法

ハンズオン課題

【Q1】あいまいな指示を改善してみよう
【課題】
「夕飯の献立を考えて」という指示を、条件を付けて具体化してください。
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【模範プロンプト例】

30代夫婦の平日夜ごはんを考えています。
調理時間30分以内で、和食中心の献立を3日分提案してください。
各日、主菜・副菜・汁物をセットでお願いします。

【ポイント】
・「誰の/どんな条件/何日分」を明確化する
・曖昧語を避け、時間・ジャンルなど判断基準を入れる


【Q2】出力の見やすさを工夫してみよう
【課題】
「休日の過ごし方のアイデア」を、番号付きで見やすく出力させてください。
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【模範プロンプト例】

休日の過ごし方のアイデアを5つ、1〜5の番号付きで、
各アイデアに1文の説明を添えて教えてください。

【ポイント】
・「番号付き/件数/短文説明」など形式を明示
・軽い形式指定でも可読性が大きく向上


【Q3】ロール(役割)指定を使ってみよう
【課題】
「旅行先のおすすめ」を、役割指定あり・なしで比べてみてください。
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【模範プロンプト例】

あなたは旅行プランナーです。
30代社会人カップル向けに、1泊2日で行ける国内旅行先を3つ提案してください。
各地の特徴を一言ずつ添えてください。

【ポイント】
・「あなたは◯◯です」で専門家視点と具体性が増す
・対象者・日程・件数などの条件も合わせて指定


【Q4】再指示で改善してみよう
【課題】
「朝の習慣を提案して」と出した後、簡潔化を指示して出力を改善してください。
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【模範プロンプト例】

(初回)朝の習慣を提案して。
(再指示)もっと簡単に、3行でまとめてください。

【ポイント】
・“どう変えたいか”を短く具体的に伝える(例:簡潔に/3行で)
・再指示で粒度・長さ・語調をコントロール


【Q5】週末のリフレッシュプランを考えてみましょう
【課題】
条件を満たすプラン提案を依頼してください。
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【模範プロンプト例】

自宅または近所でできる、気分転換の週末リフレッシュプランを提案してください。
条件:所要時間3時間以内、予算1000円以内、1人で楽しめる内容。
見出し+本文の構成でお願いします。

【ポイント】
・場所/目的/時間/予算/形式の5点を網羅
・生活に即した具体条件で“現実的に動ける”提案に

【コラム】AIにうまく伝わらない…そんな時に思い出してほしいこと

「AIって、なんでわかってくれないの?」

ChatGPTにお願いしたのに、思っていたのと全然違う答えが返ってくる。
そんな経験、きっと一度はありますよね。

「もっと短くまとめてほしいのに…」
「なんでそこを省略しちゃうの?」

でも実はこれ、AIのせいではなく、伝え方の問題なんです。
AIは“言われたこと”には忠実ですが、“言われていないこと”は想像できません。
だからこそ、「どう伝えるか」が結果を左右します。

最初は「どう話せばいいのか」迷うもの

最初からAIにうまく話しかけられる人は、ほとんどいません。
「何を言えばいいの?」「どこまで説明すればいいの?」と迷うのは、誰でも同じです。

AIとのやりとりは、人との会話とは少し違います。
最初は思った通りの答えが返ってこなくても、それが自然なスタートラインです。

少しずつ入力の仕方を変えていくうちに、
「こう言うと、わかりやすく答えてくれるんだな」とコツがつかめてきます。

大事なのは、“命令する”より“伝える”を意識すること
AIとのやりとりも、基本は人とのコミュニケーションと同じなんです。


💡 Solution|3つのポイントで“伝わるAI”に変わる

プロンプト(AIへの指示)を出すときは、
次の3つを意識してみてください。

目的:「何をしてほしいのか」
条件:「どんなトーン・立場で答えてほしいのか」
形式:「どんな形で出してほしいのか」

たとえば——

🗨️ NG:「メールの文面を考えて」
✅ OK:「取引先へのお礼メールを、丁寧なビジネス文として3行以内で考えて」

この3つを入れるだけで、AIの返す内容が一気に具体的になります。
AIは、あいまいな言葉よりも、少し具体的なくらいがちょうどいいのです。


まずは“練習テーマ”で試してみよう

「仕事の指示は難しそう」と感じるなら、
最初は気楽なテーマで練習してみましょう。

たとえば——

  • 「週末にリラックスできる過ごし方を3つ教えて」
  • 「友達の誕生日に送るLINEメッセージを考えて」
  • 「冷蔵庫にある食材(卵・ベーコン・ほうれん草)で簡単なレシピを教えて」

こうした日常的な内容でも、AIに“具体的な伝え方”を練習できるんです。
慣れてきたら、仕事の場面にも応用していけばOK。


特におすすめは“言葉を使う人”

AIへの指示が上達すると、仕事のスピードも質も変わります。
とくに文章を扱う人——営業・人事・企画・広報などでは効果が大きいです。

AIは「考える前の下書きづくり」が得意なので、
ゼロから作る時間を短縮し、あなたの思考に集中できるようになります。

つまり、プロンプト設計は「AIを動かすスキル」であると同時に、
自分の考えを整理する力でもあるのです。


“ひとこと足す”だけでAIは変わる

今日からできる簡単な一歩は、
AIに指示を出すときに、ひとこと条件を足してみることです。

たとえば——

「この文章を直して」 → 「この文章を上司に送るビジネスメールとして直して」
「アイデアを出して」 → 「20代向けに共感されるアイデアを3つ出して」

たったこれだけで、返ってくる内容が驚くほど変わります。

AIはあなたの敵でも、ただの道具でもありません。
うまく伝えれば、ちゃんと応えてくれる相手なんです。

今日ひとつ、あなたの言葉でAIに話しかけてみてください。
“伝え方”を変えるだけで、AIの反応がぐっと変わるはずです。

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