第5章:AIを”自分ごと”にするためのヒント

【コラム】AIは「使う」だけじゃなく「守る」も大事

「AIに入れた情報、誰が見てるの?」

ChatGPTなどのAIを使っていて、
ふと「これって、どこまで入力して大丈夫なんだろう?」と感じたことはありませんか?

便利だからこそ、つい仕事の資料や顧客情報を入力したくなってしまいます。
でも、そのまま送信してしまうと、社外に出してはいけない情報を“学習データ”として扱われるリスクがあります。

AIは便利なツールである一方、情報の扱い方を間違えるとリスクにもなります。
それがこの章で伝えたいポイントです。


誰もが最初は「大丈夫でしょ」と思ってしまう

多くの人が、AIの入力欄を“安全なメモ帳”のように感じています。
「社内資料をまとめてもらうくらいなら平気だろう」
「個人名は書いてないし問題ないはず」

でも、そこが落とし穴。
AIの仕組みをよく知らないまま使うと、知らないうちに情報を外に出してしまう可能性があるんです。

悪意がなくても、取り扱う内容によっては“情報漏えい”にあたることも。
最初から完璧に理解する必要はありませんが、
「AIにも守るルールがある」という意識を持つことが第一歩です。


AIを安全に使う3つのルール

AIを安全に使うために、覚えておきたいルールはこの3つです。

  1. 個人情報は入力しない
     → 名前・住所・電話番号・メールアドレスなどは入力NG。
  2. 社外秘・機密情報を含めない
     → 契約書・見積もり・顧客リストなどは社内で完結。
  3. AIが“正しいとは限らない”と心得る
     → 出力結果は必ず自分の目でチェックする。

この3つを守るだけで、リスクの大半は防げます。
AIを“信用する”より、“確認する”習慣を持つことが大切です。


社内ルールを決めておくと安心

もしチームや部署でAIを使うなら、
「この情報は入力してOK」「この用途はNG」など、社内でルールを共有しておくのがおすすめです。

例えば…

  • 機密資料はAIに入力しない
  • ChatGPTはアイデア出しや文章の下書きまで
  • 出力結果は必ず人が確認する

こうした基準を明確にするだけで、
メンバー全員が安心してAIを使えるようになります。
ルールは“制限”ではなく、“安心して使うためのガイドライン”なのです。


特に注意が必要な職種と場面

AI活用でリスクが出やすいのは、
個人情報や機密データを扱う職種です。

職種注意すべき内容
営業職顧客情報・見積データの入力
人事・労務社員情報・評価コメントなど
経理・財務売上・取引先情報
法務・総務契約書・社内文書の文面

こうした業務では、“どの範囲までAIに頼るか”を決めておくことが重要です。
逆に、社外に公開しても問題のない情報(例:一般向け記事、社内マニュアルの構成案など)は、安心して活用できます。


AIを「安心して使う力」を身につけよう

AIは正しく使えば、仕事の効率を大きく上げてくれる存在です。
でも、その前提には「安全に使う意識」が欠かせません。

今日からできる一歩は、たったこれだけ。

AIに入力する前に、「この内容、人に見せても大丈夫かな?」と一瞬考える。

そのワンクッションが、あなたと会社を守ります。

AIは“危ないもの”ではなく、“注意して使えばとても心強い味方”です。
安心して使う力を身につけて、
AIを「頼れるパートナー」として活かしていきましょう。

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