Chapter 4 売れるプロンプトやGPTsをつくる方法

学習時間の目安0.25時間

プロンプトやGPTsの販売方法を学びましたが、どのようなプロンプトやGPTsがニーズがあり、収益化の可能性が高いかを理解しないと実際の収益化に繋げることはできません。このChapterでは「売れる」プロンプトやGPTsがどのようなものかを学んでいきましょう。

自身の深い知識を活かす

ChatGPTやその他の生成AIは、様々な業務に利用できる汎用性を持っており、有料コンテンツでは高度な業務への理解・知識の深さが求められます。これは、自身の専門知識を活かしたプロンプトやGPTsを作成することが極めて効果的であることを意味します。具体的には以下2点を押さえることを意識しましょう。

・業務経験の深さ 自分の専門分野に関する深い知識は、コンテンツに信頼性と説得力をもたらします。専門家としての視点から洞察や分析をプロンプトに入れ込むことで、購入者は正確で信頼できる情報源としてあなたのコンテンツを評価するようになります。

・独自のニッチの創出 深いドメイン知識を持つことにより、他にはない独自のニッチを開拓できます。これは競争が激しいコンテンツ市場において、明確な差別化要因となり得ます。

ターゲットを明確にしタスクを特定する

単に思いつきでプロンプトやGPTsを作成するのではなく、具体的なターゲットを定め、課題を深掘りすることで、価値の高いプロンプトが構築できます。

自身の業務上の悩みなどをもとにタスクを考えてみるのも有効ですが、生成AIを活用することもできます。ここでは「新卒採用の人事担当者」をターゲットにして、ターゲットの課題や生成AIに行ってもらうタスクを検討してみましょう。Lesson5で学習した発散・収束のプロンプト技法を活用します。

プロンプト#命令
価値の高いプロンプトやGPTsをつくるためにターゲットの課題を10個出力してください。

#ターゲット
新卒採用の人事担当者

#出力形式
・業務上の課題
・具体的なシーン
・ChatGPTなどの生成AIとの相性
ChatGPTの出力例新卒採用の人事担当者の課題と解決策

  1. 優秀な人材の獲得
   ・業務上の課題:高いポテンシャルを持つ新卒学生を他社に先駆けて見つけ出し、採用する必要がある。
   ・具体的なシーン:大学のキャリアフェアやオンライン説明会で、多くの学生にアプローチし、魅力的な採用情報を提供する。
   ・ChatGPTとの相性:説明会やフェアでのプレゼンテーション資料作成、学生の興味を引くようなキャッチフレーズや企業説明の文案作成に活用可能。

  2. 面接プロセスの効率化
   ・業務上の課題:大量の面接を短期間で効率的に進める必要がある。
   ・具体的なシーン:複数の面接官が異なる候補者と一日に何度も面接を行う状況。
   ・ChatGPTとの相性:面接で使用する質問リストの作成、面接後のフィードバックのテンプレート作成、面接官へのガイドライン提供に利用。

  3. 採用候補者の評価と比較
   ・業務上の課題:多くの候補者の中から適切な人材を評価し、比較する必要がある。
   ・具体的なシーン:複数の候補者の履歴書や面接記録を分析し、適性を判断する。
   ・ChatGPTとの相性:自動的に履歴書の要点をまとめ、候補者の強みと弱みをリストアップするツールとして使用可能。

  4. 内定者フォローアップ
   ・業務上の課題:内定を出した後のフォローアップを丁寧に行い、他社への転職防止策を講じる必要がある。
   ・具体的なシーン:内定者への定期的な連絡やイベントの案内、入社前の不安解消。
   ・ChatGPTとの相性:内定者へのメールテンプレートの作成や、定期的な連絡内容の提案などに利用。

  5. 採用マーケティングの強化
   ・業務上の課題:会社の魅力を広く伝え、多くの学生に知ってもらうための戦略を立案・実行する必要がある。
   ・具体的なシーン:ソーシャルメディアや採用専用サイトでの情報発信、広告キャンペーンの実施。
   ・ChatGPTとの相性:SNSの投稿内容の提案、ブログ記事や広告文の作成、マーケティング戦略の立案支援。

  6. 新卒研修プログラムの設計
   ・業務上の課題:新入社員がスムーズに会社に適応できるように、効果的な研修プログラムを設計する必要がある。
   ・具体的なシーン:研修内容のプランニング、資料作成、講師の手配。
   ・ChatGPTとの相性:研修プログラムのアイデア出し、研修資料やスライドの作成、研修内容の改善提案。

  7. 採用プロセスの透明性確保
   ・業務上の課題:公平で透明性のある採用プロセスを維持し、応募者に安心感を与える必要がある。
   ・具体的なシーン:採用基準や評価方法の公開、フィードバックの提供。
   ・ChatGPTとの相性:採用プロセスに関するFAQの作成、フィードバックの標準化、透明性確保のためのガイドライン作成。

  8. 学生の多様性確保
   ・業務上の課題:多様な背景を持つ学生を積極的に採用し、ダイバーシティを推進する必要がある。
   ・具体的なシーン:様々な大学や学部からの応募者を広く受け入れ、公平に評価する。
   ・ChatGPTとの相性:ダイバーシティ促進のためのキャンペーン内容の提案、評価基準の見直し支援。

  9. 応募者体験の向上
   ・業務上の課題:応募者が会社に対して良い印象を持てるように、全体の応募体験を向上させる必要がある。
   ・具体的なシーン:応募から面接、内定までの各プロセスにおいてスムーズな対応を提供する。
   ・ChatGPTとの相性:応募者への自動応答システムの構築、面接前後のフォローアップメール作成、応募者フィードバックの分析。

  10. 内定辞退防止
   ・業務上の課題:内定を出した学生が他社のオファーを受けて辞退しないように対策を講じる必要がある。
   ・具体的なシーン: 内定承諾後のフォローアップ活動や入社前イベントの開催。
   ・ChatGPTとの相性:内定者フォローアップのコミュニケーションプラン作成、入社前イベントのアイデア提供、辞退理由の分析と対策立案。

上記で出力された課題を「発散」することで、ChatGPTの活用方法を幅広く検討してみましょう。 ここでは、「課題6:新卒研修プログラムの設計」をもとに「発散」を進めていきます。

プロンプト「課題:新卒研修プログラムの設計」に関して、ChatGPTが活用できる具体的な業務を10個あげてください。
ChatGPTの出力例新卒研修プログラムの設計におけるChatGPTの具体的な活用法

  1. 研修内容のアイデア出し
   ・業務内容:新卒社員が必要とするスキルや知識をリストアップし、研修内容を考案する。
   ・具体的な活用法:ChatGPTに対して「新卒社員が学ぶべき重要なスキルや知識は何ですか?」と質問し、提案を受ける。

  2. 研修カリキュラムの構築
   ・業務内容:研修のスケジュールを決定し、各日のプログラムを詳細に計画する。
   ・具体的な活用法:「新卒研修の1週間のカリキュラムを提案してください」と依頼し、日ごとの詳細なプログラムを作成する。

  3. 研修資料の作成
   ・業務内容:研修で使用するテキストやスライド、ハンドアウトを準備する。
   ・具体的な活用法:具体的なトピックを入力し、ChatGPTに対して「このトピックに関する研修資料を作成してください」と指示する。

  4. ケーススタディの作成
   ・業務内容:新卒社員が実践的に学べるようなケーススタディを用意する。
   ・具体的な活用法:「新卒社員向けのケーススタディを作成してください」と依頼し、具体的なシナリオや問題を提供してもらう。

  5. ロールプレイシナリオの作成
   ・業務内容:実際の業務シーンを再現したロールプレイシナリオを作成する。
   ・具体的な活用法:「新卒社員が体験すべきロールプレイシナリオを提案してください」とChatGPTに質問し、詳細なシナリオを作成する。

  6. 研修動画のスクリプト作成
   ・業務内容:研修用の教育ビデオのスクリプトを作成する。
   ・具体的な活用法:「新卒社員向けの研修動画のスクリプトを作成してください」と依頼し、構成や台詞を提供してもらう。

  7. 質疑応答セッションの準備
   ・業務内容:研修中に行う質疑応答セッションのための質問リストを準備する。
   ・具体的な活用法:「新卒社員向けの研修でよくある質問をリストアップしてください」とChatGPTに依頼し、質問リストを作成する。

  8. フィードバックフォームの作成
   ・業務内容:研修後のフィードバックを収集するためのフォームを作成する。
   ・具体的な活用法:「研修後のフィードバックフォームの質問項目を提案してください」と依頼し、効果的な質問を作成する。

  9. 研修の効果測定ツールの作成
   ・業務内容:研修の効果を測定するためのテストやアンケートを準備する。
   ・具体的な活用法:「新卒研修の効果を測定するためのテスト問題を作成してください」と依頼し、適切な問題を提供してもらう。

  10. フォローアップ研修プログラムの提案
   ・業務内容:初期研修後のフォローアップ研修を計画する。
   ・具体的な活用法:「新卒社員のフォローアップ研修プログラムを提案してください」とChatGPTに依頼し、継続的な学習プランを提供してもらう。

続いて、上記の活用方法を2つに分類して「収束」することで、様々あるアイデアの方向性を定めましょう。

プロンプト上記の活用方法を2つにグルーピングしてください。
ChatGPTの出力例1. 研修内容と資料の作成

  グループ内容
   研修プログラムの具体的な内容や資料、ツールを作成し、新卒社員が必要とするスキルや知識を効果的に提供するためのサポート。

  含まれる活用方法
  1. 研修内容のアイデア出し
   ・ChatGPTに対して「新卒社員が学ぶべき重要なスキルや知識は何ですか?」と質問し、提案を受ける。
  2. 研修カリキュラムの構築
   ・「新卒研修の1週間のカリキュラムを提案してください」と依頼し、日ごとの詳細なプログラムを作成する。
  3. 研修資料の作成
   ・具体的なトピックを入力し、ChatGPTに対して「このトピックに関する研修資料を作成してください」と指示する。
  4. ケーススタディの作成
   ・「新卒社員向けのケーススタディを作成してください」と依頼し、具体的なシナリオや問題を提供してもらう。
  5. ロールプレイシナリオの作成
   ・「新卒社員が体験すべきロールプレイシナリオを提案してください」とChatGPTに質問し、詳細なシナリオを作成する。
  6. 研修動画のスクリプト作成
   ・「新卒社員向けの研修動画のスクリプトを作成してください」と依頼し、構成や台詞を提供してもらう。

2. 研修の実施と評価
  グループ内容
   研修の実施に必要な準備や研修後の効果測定、フォローアップ活動に関するサポート。

  含まれる活用方法
  1. 質疑応答セッションの準備
   ・「新卒社員向けの研修でよくある質問をリストアップしてください」とChatGPTに依頼し、質問リストを作成する。
  2. フィードバックフォームの作成
   ・「研修後のフィードバックフォームの質問項目を提案してください」と依頼し、効果的な質問を作成する。
  3. 研修の効果測定ツールの作成
   ・「新卒研修の効果を測定するためのテスト問題を作成してください」と依頼し、適切な問題を提供してもらう。
  4. フォローアップ研修プログラムの提案
   ・「新卒社員のフォローアップ研修プログラムを提案してください」とChatGPTに依頼し、継続的な学習プランを提供してもらう。

2つに分類したグループの一つを再度「発散」することで、研修業務におけるChatGPTの活用方法を深く広く検討してみましょう。

プロンプト「研修内容と資料の作成」のグループに関して、ChatGPTの具体的な活用方法を10個考えてください。
ChatGPTの出力例研修内容と資料の作成におけるChatGPTの具体的な活用方法

  1. 研修プログラムのテーマ選定
   ・具体的な活用法:ChatGPTに「新卒研修に適したテーマをいくつか提案してください」と依頼し、多様なテーマ案をリストアップしてもらう。

  2. 研修スライドの作成
   ・具体的な活用法:ChatGPTに「新卒社員向けのビジネスマナー研修スライドの内容を提案してください」と依頼し、スライドの骨子を作成してもらう。

  3. ハンドアウトの作成
   ・具体的な活用法:研修で配布するハンドアウトの内容をChatGPTに「新卒社員向けのビジネスマナーに関するハンドアウトを作成してください」と依頼して作成してもらう。

  4. 研修内容の要約
   ・具体的な活用法:既存の研修資料を要約し、新卒社員向けに簡潔な説明資料を作成するようChatGPTに依頼する。

  5. トレーニングビデオのストーリーボード作成
   ・具体的な活用法:「新卒研修用のトレーニングビデオのストーリーボードを作成してください」とChatGPTに依頼し、映像の流れを具体的に計画する。

  6. 研修ゲームやアクティビティの提案
   ・具体的な活用法:研修中に行うゲームやアクティビティのアイデアをChatGPTに「新卒社員向けのアイスブレイクゲームを提案してください」と依頼し、具体的なアクティビティ案を得る。

  7. 研修教材の文献リスト作成
   ・具体的な活用法:研修に関連する参考文献や記事をリストアップするようChatGPTに依頼し、必要な教材のリストを作成する。

  8. 研修プログラムの評価基準作成
   ・具体的な活用法:「新卒研修の評価基準を提案してください」とChatGPTに依頼し、具体的な評価項目と基準を提供してもらう。

  9. 研修用クイズの作成
   ・具体的な活用法:研修内容を理解しているか確認するためのクイズをChatGPTに「ビジネスマナー研修用のクイズを作成してください」と依頼して作成してもらう。

  10. 研修のイントロダクションスクリプト作成
   ・具体的な活用法:研修の開始時に使用するイントロダクションのスクリプトをChatGPTに「新卒研修のイントロダクションスクリプトを作成してください」と依頼し、分かりやすく興味を引く内容を作成してもらう。

この中でも、「研修プログラムの評価基準作成」や「研修ゲームやアクティビティの提案」は、ChatGPTの論理的思考力や創造力を組み合わせられるので相性が良い活用方法です。また、プロンプトを作成するだけでなく、例えば「参加満足度が30%アップする社内研修コンテンツ設計に特化したプロンプト」のように具体的な数字などをプロンプトのタイトルに記載することで、ターゲットの人たちにとって魅力的に映り購入意欲を高めることができます。

次に価値の高いプロンプトに必要な要素を紹介します。

価値が高いプロンプトの特徴

価値が高い生成AIのプロンプト作成では、特有のノウハウを生かした具体的かつ詳細な指示が必要です。特に重要なのは、目的、制約事項、ステップ、出力形式を自身の知識を踏まえて豊富にすることです。

  • 目的:そのタスクの目的はどんなものであるのか、自身の経験を踏まえて具体化してプロンプトに落とし込みます。
  • 制約事項:自身がそのタスクを処理する際に考慮するポイントを余すことなく制約事項としてプロンプトに入れ込みましょう。
  • ステップ:自身がそのタスクを処理するステップを分解し、再現性が高まるように意識しましょう。
  • 出力形式:そのタスクの最善の出力形式は何か、自身の強みを踏まえて反映するようにしましょう。

実際に価値の高いプロンプトが生成できれば、GPTsなどに組み込むことも比較的容易です。必要に応じて、GPTs化するなどして、提供方法を考慮しておきましょう。

では、みなさんも実際に価値の高いプロンプトを作成してみましょう。

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